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2009年世界遺産登録物件 ちょっと詳しく その8 ドロミテ(ドロミーティ)

 もうあと2ヶ月ちょっとくらいで2010年の登録物件が出てくるのに、まだこんな記事かと思われるかもしれませんが、おつきあいください。

 ドロミテは、イタリア北部、ヨーロッパアルプスの一部で、著名な観光地となっています。コアの範囲は、スキー場などの構造物・施設を除いた141902.8 ha、バッファゾーンは89266.7 haに及ぶ9つの地域で構成されます。
 大きく二つの価値により特徴づけられます。一つは、その自然景観の美的価値であり、もう一つは地質的、地球科学的な重要性です。

 自然美としての要素は、まず屹立する上昇性のある地形です。棚状、台地状の水平面と対照的に、尖峰・尖頂、塔状の岩など垂直的に展開する地形に由来する景観美があります。
 豊かな色どりも特徴の一つです。光によって色合いを変える、淡い岩山と森林、その下の牧草地により作り出されます。山の起伏と相俟って壮大なパノラマとなっています。
 また、1500メートルを超える石灰岩の岸壁は、ドロミテ独特の風景で、”ドロマイト景観”の原型となっています。
 これらにより、ドロミテは世界で最も魅力的な山岳風景となっています。
 このドロミテの自然美は、芸術にも関連深く、アルブレヒト・デューラーは、5つの優れた水彩画を残しています。中でも”Welsch Pirg (Italian mountain)”という作品は、ヨーロッパの絵画の歴史において、最初の風景画と考えられています。また、ゲーテは自然科学や鉱物学に興味を示し、”イタリア旅行”の中で、”カルカルペン”や”グロス・ブレンネル”など、石灰岩アルプスに言及しています。

 地質学、鉱物学、堆積学、古生物学などの研究は、ジャヴァンニ・アルデュイーノやアレクサンダー・フォン・フンボルトなどにより、18世紀から行われています。
 ドロミテは、ドロマイト石灰岩の山の形成についての古典的な場所として、地形学において世界的にも重要な場所です。頂上、尖頂、塔状の岩山、世界でももっとも高い垂直の岸壁など、きわめて多様な石灰岩の形成がたくさん集中しているのは、世界的な文脈でも並外れているのです。
 地質的にも、中生代炭酸塩プラットフォーム、あるいは”化石環礁”に関する際立った証拠があり、国際的に重要な意義をもつ場所です。ペルム紀と三畳紀の境の後の生命進化の証明という点や、環礁とその周辺の窪地の維持という点で特に重要です。
 これら地形学的な価値、地理学的価値がドロミテの世界的な重要性を生み出しています。

 ドロミテは、9つの地域からなっています。”ドロミテの女王”で知られる、3343メートルの 最頂部のある”マルモラーダ”。崖、台地、谷、尖頂や岩壁などの典型的なドロマイトの風景が見られる”パレ・ディ・サン・マルチーノ、サンルカーノ、ドロミーティ・ベッルネーシ、ヴェッテフェルトリーネ”地域。ドラマチックな風景が見られるほか、ペルム紀後期から早期ジュラ紀までの約100万年の化石記録、地殻変動、堆積が見られる”ペルモ=クローダ・ダ・ラーゴ”。珊瑚礁や植物化石などペルム紀から三畳紀に至る絶滅からの回復について国際的重要性を持つ記録となっている”ドロミーティ・セッテントリオナーリ/ネルドッリチェ・ドロミーテン”。孤立した炭酸塩プラットフォームであるラーテマール・リーフが露出しているところを含み、重要な三畳紀層と古生物学的な地域がある”シリアール=カチナッチョ/シュレルン=ローゼンガルテン、ラーテマール”などがあります。

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